メガソーラー(大規模太陽光発電所)は、人里離れた山林などに立地することも多い。元々、動物や植物、昆虫などが生息していた場所に、フェンスを隔てて野ざらしで発電設備を設置し、かつ、運用が始まってからは人の立ち入りが少なくなる。こうした野生の動植物の侵入は避けられず、トラブルにつながるケースもある。

 こうしたトラブルの一つに、「スズメバチによる巣作り」がある(図1)。

図1●太陽光パネル裏に作られたスズメバチの巣
図1●太陽光パネル裏に作られたスズメバチの巣
屋根裏などと同じように、営巣に向く場所となっている(出所:日経BP)
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 巣ができることそのものには、発電設備への悪影響はほとんどない。しかし、O&M(運用・保守)に関わる作業時に、作業者を刺して危害を加える恐れがある。

 スズメバチによる死傷事故は、毎年のように、夏から秋になると増える。刺された人が、その毒によって死亡したことが報じられることもある。

 スズメバチに限らず、ハチは住宅の軒先や屋根裏、床下といった、さまざまな場所に巣を作ることが知られている。住宅の場合、日常的に人が出入りしていることから、巣を作られても、比較的早い段階で気付き、除去できる可能性が高い。

 これに対して、太陽光発電所は、相対的に人の出入りが少ない。ハチにとって、巣作りの適地の一つとなる。

 中でも、太陽光パネルの裏は、住宅の軒下や屋根裏などと同じような日陰となり、巣作りに向く環境となっているようだ。