畑近くの堤防が決壊
帯広市中島町で被災したのは、出力約1.35MWと約1MWのメガソーラーだった(図3)。近隣する河川の堤防が決壊したことで、泥水や流木が押し寄せた。これによって、フェンスや架台、太陽光発電設備が倒壊や水没、浸水するなどの被害が生じた。
メガソーラーは、戸蔦別川と札内川の合流地点の近くに立地し、この二つの川に挟まれている場所にある。
二つの川は、管理者が異なる。札内川は国土交通省、戸蔦別川は北海道が管理している。このうち、札内川側の堤防の決壊について、国土交通省 北海道開発局 帯広開発建設部が、経緯や対策などを2016年9月に発表している(図4:関連ニュース)。
堤防の決壊は、まず、北海道が管理している戸蔦別川の右側の堤防で起きた。決壊した場所の幅は500m程度とみられる(図5)。
決壊した地点は、戸蔦別川と札内川に挟まれている場所にある。その間には、畑や農業関連の倉庫のほか、メガソーラーが立地しており、決壊による浸水で被災した。
戸蔦別川の右岸の堤防が決壊すると、戸蔦別川と札内川に挟まれている場所に、戸蔦別川から、水と土が入り混じった泥水、流木などが流れ込んだ。
戸蔦別川の決壊地点の近くは、ほぼ畑となっている。砂糖の原料となるビートや、ジャガイモが栽培されていた。氾濫流は、土壌も侵食し、ビートやジャガイモを巻き込みながら、メガソーラーの敷地まで押し寄せた。
氾濫した河川水は、メガソーラーの南西側を中心に流れ込んだ。フェンスや架台が、流木やビートやジャガイモなどの一部を堰き止めるような形にはなったが、水の勢いは止まらず、さらに北側に流れていった。
そこは、戸蔦別川と札内川の合流点付近となる。この場所まで到達した氾濫流は、今度は、陸地側から札内川の堤防を決壊させた(図6)。
この札内川側の堤防の決壊については、国交省の帯広開発建設部の発表によると、戸蔦別川との合流点の目の前で、左側の堤防が約200mにわたって決壊した。