公設の仮置場からの引き受け先に苦悩
一方、被災した太陽光発電所側では、調査した3事業者のうち2事業者は、被災する前から、感電の危険性や有害物質の流出の危険性を認識していた。
しかし、残りの1事業者は、被災時に危険性を認識していなかった。感電の危険性は、被災してから1カ月後に認識した。有害物質の流出の危険性については、今回の総務省の調査を機に初めて認識した。
これらの3事業者はいずれも、被災後に地域住民に対して、注意を喚起していなかった。
損壊した発電所の中には、不特定多数の人が近づき、倒壊したフェンスを越えて無断で敷地内に侵入しようとする人がいた例もあった(図3)。しかし、事業者は、感電などの危険性を認識しつつも、特段、注意を喚起していなかったとしている。
破損パネルは、災害廃棄物、または産業廃棄物として処理された。
被災により破損パネルが発生した6市町村のうち、3市町村では、災害廃棄物として処理した。破損パネルは、仮置場に搬入され、他の廃棄物と分別してシートで覆って保管するなどにより、感電などの防止措置が講じられていた。ただし、仮置場に搬入されたのは、災害発生から長期間が経過した後だった。
仮置場への搬入後の処理では、産業廃棄物処理業者に受け入れを拒否され、仮置場での保管が続いている例もある。リサイクルのモデル事業を実施している事業者に、一部のパネルを引き渡した例も複数ある(熊本県益城町の例)。