日本において、河川に近い場所に立地する太陽光発電所のリスクの一つに、想定以上の大雨などによる水害がある。近年、国内外で「観測史上最多」「数百年に一度」という規模の豪雨に見舞われる地域が相次いでいる中、こうした地域で溢水や堤防の決壊によって河川が氾濫し、太陽光発電所が被災する例が出てきた。

 2014年6月4日には、宮崎県の中部にある児湯郡川南町において、平田(へだ)川が氾濫し、近隣に立地している2カ所の太陽光発電所が水害を受けた(図1)。

図1●浸水した出力750kWの「三恵川南ソーラー発電所」
図1●浸水した出力750kWの「三恵川南ソーラー発電所」
流木なども見える(出所:三恵観光)
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 今回は、このうちの1カ所である、出力750kWの「三恵川南ソーラー発電所」における被災と、そこからの復旧について取り上げる。

 同発電所は、遊技場などを手がける三恵観光(京都府福知山市)が開発・運営している。同社はグループ企業による案件も含めて、4カ所の太陽光発電所を運営しており、3カ所目となる案件が、川南町で被災した発電所だった(関連ニュース1)。

 また、グループ企業の三恵エナジー(大阪市中央区)では、営農型太陽光発電所(ソーラーシェアリング)や、パームオイルを燃料とするバイオマス発電所(関連ニュース2)なども手がけている。

 2014年6月4日の被災時、川南町の太陽光発電所は、同年8月ころの売電開始を目指し、建設中だった。

 川南町平田に立地し、元は農地だった。同町などが所有しており、三恵観光が購入後、農地転用して太陽光発電所を開発した。売電価格は40円/kWh(税抜き)である。

 EPC(設計・調達・施工)サービスは、明電舎が担当した。