パネル2846枚を交換、PCSは設置前で被災を逃れる

 2014年6月4日の被災は、低気圧と梅雨前線による大雨が九州南部に集中的に降り、近くを流れる平田川が氾濫したことで起きた。

 川南町における平田川の氾濫により、周囲の道路が一部陥没したほか、田んぼや事業所に、泥や流木の混ざった水が押し寄せた。流れ込んだ先の一つが、施工中の太陽光発電所だった。

 流木が多いのは、この太陽光発電所と隣接する製材所もこの氾濫で被災し、その敷地内から大量の木材が流れ出したことにもよる。製材所が上流側、太陽光発電所が下流側に位置している。

 ここからさらに下流にある近隣の橋では、橋げたを起点に大量の木材がたまってダムのようになり、水をせき止めた(図2)。この現象と、川の氾濫の因果関係は明らかになっていない。

図2●橋に大量の木材がたまり、ダムのように水をせき止めた
図2●橋に大量の木材がたまり、ダムのように水をせき止めた
橋げたを起点に大量の木材がたまった(出所:地域の住民が提供)
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 施工中だった三恵観光の太陽光発電所では、設置済みや設置準備中の太陽光パネルの多くが浸水した(図3)。3570枚のうち、そのまま使えたのは724枚しかなかった。残りの2846枚は交換となった。

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図3●太陽光パネルの浸水状況
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図3●太陽光パネルの浸水状況
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図3●太陽光パネルの浸水状況
上から2番目の画像の赤線の高さまで浸水した。赤丸の部分は、損傷防止のためにパネルを取り外した。左下のように、保管していたパネルも浸水。右下では、コネクターの保護のために取り付けていたビニール袋の中まで浸水したことがわかる(出所:三恵観光)