固定価格買取制度(FIT)の施行後、いち早く発電を開始した太陽光発電所では、運用開始からすでに4年経っている。完工してから年月を重ねていく中で、表面化しているトラブルの一つに、雨水による土壌の浸食がある(図1)。

図1●基礎の下の土が雨水で浸食
図1●基礎の下の土が雨水で浸食
土嚢で埋めて対応。広島県にあるメガソーラーの例(出所:日経BP)
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 草木が繁茂している状態ならば、根を含めて土が保水力を保ち、一定の雨であれば吸収し、地表の土が大きく崩れることはまれである。しかし、太陽光発電所の場合、こうした草木は、太陽光パネルに影を落とし、発電量の損失となることから、開発時に伐採した上、運用時にも除草を続けていくことが多い。

 シバやクローバーの植栽などで、少しでも保水力を高めつつ、表面土壌の浸食を抑制する試みも多いが、雨水が流れる地表面ほど、こうした低背雑草の種も流れてしまい、根付きにくいというジレンマがある。