今回のアスクルの倉庫の場合、出力592kWの太陽光発電システムを備えていた。倉庫の稼働開始から約8カ月後となる、2014年3月27日に売電を開始していた(図2)。

図2●出力592kWの太陽光発電システムを備え、屋上に約3700枚のパネルが並ぶ
図2●出力592kWの太陽光発電システムを備え、屋上に約3700枚のパネルが並ぶ
火災後の様子(出所:国土交通省・消防庁「埼玉県三芳町倉庫火災を踏まえた防火対策及び消防活動のあり方に関する検討会」)
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 年間発電量は、一般家庭約170世帯分の消費電力に相当する、約60万kWhを見込んでいた。

 太陽光パネルはソーラーフロンティア製のCIS化合物型を採用し、約3700枚を屋上に並べた。設置・施工は、アスクルの子会社で施設のメンテナンスなどを手がけるアルファパーチェス(東京都港区)が担当した。

 増えつつある巨大な倉庫で、例を見ないような大規模な火災が起きたことから、国土交通省と消防庁では、2017年3月に検討会(埼玉県三芳町倉庫火災を踏まえた防火対策及び消防活動のあり方に関する検討会)を設置し、6月21日までに開催した4回の会合を経て、状況の分析や同種の火災の再発防止策、仮に同種の火災が発生したとしても、消火活動に長時間を要することのないように今後取り組むべき防火対策、消防活動のあり方などをまとめた。

 この会合において、太陽光発電システムに関して、今後の課題として取り上げられた点はなかったという。