こちらの水道管は地面に垂直に立ち、かつ、高さが低い。また、杭基礎と水道管の間の隙間がない上、水道管の前には、蛇口に取り付けた分岐用の器具があり、この器具と水道管の隙間も狭い。カラスにとっては、水道管の保護材を突きにくい設置方法となっている。

 このメガソーラーの西側には、大きな木が茂り、カラスの巣のようになっている(図4)。日中は頻繁に出入りし、その数は100羽を下らないようだった。

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図4●西隣はカラスの巣
図4●西隣はカラスの巣
カラスが集団で頻繁に出入りする(出所:日経BP)
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 メガソーラーの敷地には、人がいる時でさえカラスが飛び交い、一部はパネルの上や地面に降りている。こうした環境にあるため、クチバシで突きやすい樹脂製の保護材を突いたとみられている。

 今回は、水道管の保護材だったが、気象状況などを観測するためのセンサーなどの配線の保護材にも、樹脂材料が使われていることがある。

 設置の状況によっては、同じように鳥がクチバシで配線の被覆を破り、断線させてしまうことがある。このトラブルシューティングのコラムでも、日照計の配線を断線させた例を紹介した(トラブルシューティングの関連記事)。

 カラスが突きにくいような向きや高さ、位置などに工夫することで、ある程度、防げるトラブルと言える。