太陽光パネルは、製造時や輸送・設置時、また経年劣化によって、さまざまな不具合が生じる。こうした不具合や、それを検知するための手法について、ケミトックス(東京都大田区)が評価サービスを通じて得た事例や知見を基に、解説記事を連載する(これまでの主な内容:PIDバスバー断線コネクター腐食樹脂の劣化バイパスダイオード故障スネイルトレイル塩害)。

 今回は、積雪で太陽光パネルや架台が損傷した例を取り上げる。

 太陽光発電システムは、屋外に設置され、長期にわたって運用される。積雪や強風による荷重に耐えられるように、太陽光パネルや基礎・架台を選定し、システムを構成することが基本となる。

 しかし、近年の日本では、「観測史上最高」「数百年ぶり」「数十年ぶり」といったレベルの異常気象や極端な気象が相次いでいる。

 こうした場合、IEC(国際電気標準会議)やJIS(日本工業規格)といった規格で示された条件を満たした製品であっても、想定を超える荷重で、損傷することがある。

 太陽光発電所が立地している地域において、過去の記録を大幅に超える雪が降った場合、パネルだけでなく、基礎や架台まで損傷する場合がある(図1)。

[画像のクリックで拡大表示]
図1●積雪による太陽光パネル、基礎・架台の損傷例
図1●積雪による太陽光パネル、基礎・架台の損傷例
太陽光パネルはカバーガラスが割れ、フレームが外れた。山梨県北杜市にある浅川太陽光発電所の例(出所:ケミトックス)
[画像のクリックで拡大表示]

 ケミトックスの顧客が運営する太陽光発電所でも、太陽光パネル、基礎・架台がいずれも損傷したことがあるという。