金属の「電解腐食」

 架台や固定具の塩害対策では、金属材料の組み合わせにも考慮しなければならない。異なる金属材料の組み合わせ次第では、通常よりも腐食が進みやすくなるためである(図3)。これは、「異種金属接触腐食」、または「電解腐食」と呼ばれる。

図3●異なる金属材料の組み合わせ次第で、通常よりも腐食が進む
図3●異なる金属材料の組み合わせ次第で、通常よりも腐食が進む
異種金属接触腐食の例(出所:ケミトックス)
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 具体的には、イオン化の傾向の異なる金属材料同士が電解質中で接触すると、イオン化傾向が高い方の金属材料では、さらにイオン化が加速して腐食が進んでしまう。

 イオン化の傾向が高い方の金属材料が低電位(アノード)となってイオン化が加速し、逆に、イオン化の傾向が低い方の金属材料が高電位(カソード)となってイオン化が抑制されて生じる。

 この結果、イオン化の傾向が高い方の金属材料は、その材料が単体で存在している時よりも、腐食が進みやすくなる。

 この現象が生じるには、異なる金属材料の間に電解質が存在する必要がある。太陽光発電所においては、雨水や飛んできた海水などがこの役割を担う。塩害地域では、より生じやすくなる腐食であり、注意を要する。