アース線の固定のためにめっきを剥がす
太陽光パネルを傾けて設置するための架台や、架台とパネルの固定具(クランプ、ボルト)についても、十分な配慮がいる(図2)。
ほとんどの架台の部材や固定具は、金属で作られており、めっきや塗装、耐食性の高い材料を使うことなどによって、塩害への対策が施されている。
しかし、実際に使用してみると、腐食が起きている場合がある。部材そのものは対策されていても、発電所の設計次第では、その対策よりも、電気的な安全を、部分的に優先するような施工を強いられる場合があるためである。
例えば、太陽光パネルからのアース線が、架台に固定され、その架台の金属部材を通じて地面との接地を確保している場合、アース線と架台の金属部材の間を電気的に接続する目的で、架台の金属部材のめっきや塗装を部分的に剥がしている場合がある。
めっきや塗装は、塩害対策として施されているもので、剥がせば当然、腐食しやすくなる。こうした部分を起点に腐食が進み、最終的には架台の強度や長期信頼性に影響を及ぼすこともある。