太陽光パネルには、製造時や輸送・設置時、また経年劣化によって、さまざまな不具合が生じる場合がある。こうした不具合や、それを検知するための手法について、ケミトックス(東京都大田区)が評価サービスを通じて得た事例や知見について紹介している。

 今回は、太陽光パネルの評価に関する国際規格である「IEC61215」の改定に関して、取り上げる。ケミトックスが6月2日に開催したIEC改定に関するセミナーの抜粋となる。屋外において長期間、高い信頼性で使用できるパネルに必要な要件を定めたもので、より正確な発電量の予測や太陽光パネルに生じる不具合の抑制と関連が深い。

 IEC61215は、国際電気標準会議(IEC)が定めた結晶シリコン系の太陽光パネルを対象とした性能評価のための規格で、2016年3月に改定された。11年ぶりの改定で、大きく変わった部分もある。

 IECでは、太陽光パネルの性能評価のための規格として、結晶シリコン系向けのIEC61215のほか、薄膜系向けのIEC61646、集光型向けの62108を定めている。また、安全性評価のための規格(IEC61730-1~2)も定めている(図1)。

図1●太陽光パネルに関するIECの規格
図1●太陽光パネルに関するIECの規格
今回は、結晶シリコン系のIEC61215を改訂(出所:ケミトックス)
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