宗教施設にも着目

 こうした事情もあって、避難所は比較的、早く閉じられることになった。太陽光発電システムの自立運転機能の活用については、今後調査する予定としている。

 また、避難所ではないものの、宗教施設の被災状況にも関心を持っていた。地域に住む信者たちが、日常的に集まる場所だからである。

 震災などに対する耐久性や安全性が高ければ、地域の安全を担う場所として、より有効に機能できる拠点になり得ると、PV-Netは着目している。

 宗教施設の多くは、威信を表す目的もあって、構造は大振りで重いものとなっていることが多い。熊本地震では、その重厚そうに見える建物でも、直下型の強い地震を受けて、大きく損傷したケースが多く見られた(図3)。

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図3●神社や教会、寺院や墓地なども被災
図3●神社や教会、寺院や墓地なども被災
重厚な建物の損壊も見られた(出所:PV-Net)
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 地域を支える拠点の一つであることから、宗教施設の安全性について、改めて社会的な課題として検討されるべきと、PV-Netは指摘している。