日本は世界有数の地震国。家屋の損壊するような大きな揺れも多い。大規模な震災が起きた時、太陽光発電システムはどのような影響を受け、どのように安全が保たれ、どのように損傷したのか――。今回のシリーズでは、住宅用を中心に太陽光発電のオーナーで構成する、特定非営利活動法人(NPO法人)・太陽光発電所ネットワーク(PV-Net:東京都文京区)による調査結果や提言などを紹介する。

 今回は、益城町の避難所などの状況や、自立運転機能の活用状況を紹介する。PV-Netが避難所に関心を持っているのは、家が被災した住民たちの安全や生活基盤を確保するための重要な拠点であるとともに、太陽光発電システムの自立運転機能が多く活用される可能性がある場所だからだ。

 益城町では、熊本地震の後、公民館や体育館、学校・幼稚園・保育所などの公的施設を使った避難所が25カ所、設けられた(図1)。

図1●公的な避難所
図1●公的な避難所
益城町の25カ所に設けられた(出所:PV-Net)
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 ただし、激しい揺れが続いたことから、こうした避難所に寝泊まりすることすら怖がる被災者も多かった。倒壊した自宅の隣にテントを張って過ごすといった、自主的に設けた避難所を活用する被災者も多かった(図2)。

図2●自主的な避難所
図2●自主的な避難所
テントなどを活用する例が多かった(出所:PV-Net)
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