太陽光パネルには、製造時や輸送・設置時、また経年劣化によって、さまざまな不具合が生じる場合がある。こうした不具合や、それを検知するための手法について、ケミトックス(東京都大田区)が評価サービスを通じて得た事例や知見について紹介している。

 太陽光パネルの不具合は、メーカーの工場を出荷し、設置先となる太陽光発電所に届けられるまでの輸送中に生じることもある。

 主に、太陽電池セル(発電素子)に、微細な割れ(マイクロクラック)が生じるもので、発生している件数が少なくないことが知られている。輸送中に、一定以上の振動や、過度な荷重が加わることで生じる。

 輸送中に生じた不具合を把握するには、太陽光発電所への納入時に、セルにマイクロクラックが生じているか、現地で検査する方法がある。EL(エレクトロ・ルミネッセンス)検査などが活用されるが、一般的に、現地での全量検査は、長い時間とコストを要する。

 しかも、現地での把握は、対処策に過ぎない。そもそも輸送中に不具合が生じることが問題で、それを防ぐことが本来の対策といえる。