斜面にある二つのメガソーラー

 益城町には、稼働中のメガソーラーもある(図2)。良く知られている発電設備の一つは、益城町寺中にある再春館製薬所の出力約1.7MWの発電所だろう。同社の本社の隣接地にある、急な斜面に立地する(メガソーラー探訪の関連記事)。

[画像のクリックで拡大表示]
図2●地震後の再春館製薬所のメガソーラー
[画像のクリックで拡大表示]
図2●地震後の再春館製薬所のメガソーラー
[画像のクリックで拡大表示]
図2●地震後の再春館製薬所のメガソーラー
益城町寺中にある。地面の崩落や設備の倒壊などは見えなかった。最上部のパネルと、その上の草の間に見える土は、熊本地震以前から露出していたもの。4月27日に撮影(出所:日経BP)

 阿蘇くまもと空港から、自動車で熊本市内に向かう際、県道36号線で5分ほど走った場所にある。丘の斜面に放射状に並べたパネル群が車窓からも良く見える。

 県道の反対側に見える住宅は、瓦屋根が壊れて屋根にブルーシートを被せている家が多く見える一方、再春館製薬所の太陽光発電設備には、県道から見る限り、地面の崩落や設備の倒壊などは見えなかった。同社の広報担当者によると、「いまのところ大きな損傷の報告はなく、順調に稼働している」という。

 基礎と架台には、金属製の単管パイプが使われている。一般的に、単管パイプによる基礎と架台には、安全性や信頼性を懸念する声がある。

 3日間で震度7の地震に2回も見舞われながら、損傷している様子が見受けられないことからも、基礎や架台として埋め込む深さ、構成する本数、角度などを最適にすることで、有効に機能している例と言えそうだ。