今回のシリーズでは、エネテク(愛知県小牧市)が、太陽光発電所の点検やO&M(運用・保守)を担う中で遭遇してきたトラブル事例を紹介している。同社は、2007年に設立された電気設備工事企業で、太陽光の施工も多く担当してきた。O&Mでは、点検時に原因の分析だけでなく、その場で不具合の原因を解消するなどワンストップの対応が特徴となっている(関連コラム)。

 第4回は、パワーコンディショナー(PCS)が高温の環境に設置されていたために、出力が半減していたトラブルを紹介する。

 工場の屋根上に設置した出力49.920kWの太陽光発電設備で発生していた。

 不具合に気がついたきっかけは、エネテクの点検・メンテナンスサービス「ソラパト」の年間点検契約を受託したことだった。この屋根上の太陽光発電設備は、稼働後、約3年間が経っていた。

 契約に基づいて、最初の点検に向かった。この時には、発電設備に不具合はなかった。ただし、遠隔監視システムを導入していなかったので、エネテクは導入を提案した。顧客は、その提案を受け入れ、遠隔監視システムを導入した(図1)。

図1●電流センサーや送信モジュールを追加する
図1●電流センサーや送信モジュールを追加する
稼働後の遠隔監視システムの導入(出所:エネテク)
[画像のクリックで拡大表示]

 エネテクとO&M(運用・保守)関連の契約を結んでいる顧客は、遠隔監視システムで送信されてくる発電状況のデータは、エネテクと顧客の双方が把握できる。この仕組みは、多くのO&M企業のサービスでも同じである。