電力会社が引き込み線を切断し、安全確保の例も

 太陽光パネルを搭載した住宅のうち、1階がほぼ全壊しているように見え、接続箱やPCSをつなぐ配線の状況を確認できない住宅の中には、電柱からの引き込み線が切断されている場合があった。

 PV-Netによると、電力会社などの関係者が、緊急的に措置したものではないかと見ている。太陽光発電システムによる二次災害を防ぐ上で、効果的な方法の一つと言える。

 熊本地震における電力会社による措置では、初期の対応や安全面の処置が優れていたと評価している。停電期間を最小限に抑えるための処置として、配電網の安全を考慮しながら、他地域の電力会社からの応援を含む高圧電源車を大量に使って、いち早く送電を再開したことも評価された。

 引き込み線が切断されていた住宅のように、激しく損壊した住宅への通電の遮断や、一度、通電を遮断した住宅への通電の再開なども、安全面の配慮が重要となる(図2)。

図2●通電状況を確認
図2●通電状況を確認
益城町木山、同町辻の城における例(出所:PV-Net)
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 一方で、ビルの壁が崩壊して、引き込み線が剥き出しになっているケースや、配線を収めた管が露出している例もあった(図3)。

図3●引き込み線が剥き出しになっていた場合も
図3●引き込み線が剥き出しになっていた場合も
ビルの壁の倒壊などによる(出所:PV-Net)
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 これらは、電気だけでなく、ガスにも共通する課題で、ガスの遮断機能の確認も重要になるとしている。

 電気に関する知識が十分にない居住者の場合、例えば、PV-Netの調査担当者など専門家に依頼し、自主的に対処すべきとしている。