ストリング単位でも2%弱の発電量低下

 1回目で発見した17枚については、竣工検査で見過ごした初期不良の可能性もあるが、2回目で特定した9枚については、わずか半年間で、新たにクラスター故障に至った可能性も高い。「1回目から2回目の間に冬を越したパネルもあることから、零下から60度までの温度差によって、不具合の生じた可能性もある」(O&M担当者)と見ている。

 同発電所では、ストリング監視を導入しているが、こうしたクラスター故障は発見できなかった。その理由は、1ストリングを構成するパネル18枚のうち、1枚のパネルがクラスター故障になっても、発電量の目減りは2%弱に過ぎないからだ。

 竣工検査や定期検査で、ストリングごとの開放電圧を測定しているが、これも同様の理由で、電圧低下の程度が小さいため、見過ごされやすい。「時々刻々と日照が変化するなかでは、誤差の範囲と考えがち」(O&M担当者)という面もある。

 同発電所では、現在、3回目となる抵抗値の測定検査を実施しており、2年間で3回実施することになる。その後は、年1に1回の定期点検に今回の検査手法を加える方針だ(図4)。

図4●高い位置のパネルは、裏側からでも測定できる
図4●高い位置のパネルは、裏側からでも測定できる
(出所:日経BP)
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