2人の担当者で月30ストリングを検査

 「ソラメンテ」は、「ストリングチェッカー」と「パネルチェッカー」という2つの点検装置からなる。まず、「ストリングチェッカー」で、接続箱からストリングに微弱な検出用信号を流し、開放電圧と抵抗値を測定する。これにより、不良パネルのあるストリングを特定できる。

 次に「パネルチェッカー」を使って、ストリング内の故障パネルを特定する。パネル表面のバスバー(線状の電極)にセンサー部をあてることで、電流の磁界を感知し、電流の有無を判断できる。

 例えば、ストリングチェッカーのよるストリング測定で、開放電圧がやや低く、抵抗値が規定値以上に大きい「OL(Out of Limit)」を示した場合、「クラスター断線」のパネルが含まれる可能性が大きい。。

 「クラスター断線」とは、太陽電池セル(発電素子)の電極を接続するハンダの不良などで、抵抗が増してバイパスダイオードが作動し、セルの3分の1を迂回して電流が流れている状態を指す。パネルチェッカーでバスバーの電流を確認することで、クラスター断線したパネルを特定できる。

  「サンシャインエナジー湧水発電所」では、運転開始から約半年後の2015年8月からソラメンテによる検査を開始した。2人のO&M担当者が毎月30ストリング程度を計画的に検査した。接続箱を開け、ストリング端子にテスター棒を当てるという作業だ。2016年3月までに4784ストリングすべてを検査し終え、17枚のパネルをクラスターの故障と確認できた(図2)(図3)。

図2●まず「ストリングチェッカー」で抵抗値を測定する
図2●まず「ストリングチェッカー」で抵抗値を測定する
(出所:日経BP)
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図3●「パネルチェッカー」で、クラスター故障のパネルを特定する
図3●「パネルチェッカー」で、クラスター故障のパネルを特定する
(出所:日経BP)
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 同発電所では、引き続き2016年3月~8月にかけ、2回目の検査を実施し、さらに9枚の不良パネルを特定した。1回目と2回目を合せ、故障したパネルは、26枚となった。すべてメーカー保証を適用されて新品と交換した。