歪んだパネルも
屋根からは外れなかったものの、屋根に生じた歪みの影響を受け、大きく曲がって歪むなどの損傷を受けた太陽光パネルも見られた(図3)。太陽熱温水器が曲がっていた住宅もあった。
こうして歪んだ太陽光パネルを使って、その後も発電を続けた場合、マイクロクラック(微小な割れ)の発生が懸念される。
屋根から外れてしまった棟瓦が太陽光パネルの上に乗り上げ、パネルが損傷している例もある(図4)。
瓦屋根に設置されている太陽光パネルは、これまでの東日本大震災や今回の熊本地震でも、重しのような役割を果たし、その下にある瓦を強固に保っていたことも多い。
太陽光パネルを乗せていることで、屋根の損傷が抑えられているように見える例は、熊本地震でも多く見られた(図5)。他の部分の瓦が多く外れ落ちたのに対して、パネルの下の瓦は外れずに元の状態をほぼ維持している。
しかし、パネルが上を覆うことがない棟瓦には、その効果が及ばず、損傷してしまう図4のような例もある。
益城町で調査した住宅の中には、建屋そのものの損傷が激しいため、3回の調査中に、取り壊されて撤去されたものもある。こうした事後処理は、損害保険の適用と密接に関連するため、住宅によって状況は異なる。