太陽光パネルには、製造時や輸送・設置時、また経年劣化によって、さまざまな不具合が生じる場合がある。こうした不具合や、検知するための手法について、ケミトックス(東京都大田区)が評価サービスを通じて得た事例や知見について紹介している。

 今回は、腐食による不具合の事例を紹介する。太陽光発電所が稼働後、発電の異常を示した太陽光パネルが顧客から持ち込まれた。調べてみると、セル(発電素子)やジャンクションボックスなどに異常は確認できなかった。

 そこで、送電ケーブルや、隣のパネルの送電ケーブルと接続するためのコネクターを調べることにした。結晶シリコン型の太陽光パネルは、十数枚~二十数枚を直列(化合物型パネルは直列と並列)に繋ぎ、接続箱に発電電力を入力している。このパネル間の接続に、コネクターが使われている。

 送電ケーブルとコネクターを調べてみると、腐食していることがわかった。浸水によるものとみられ、ケーブルとコネクターの端子が腐食していた。

 ただし、外観には異常が見られない。分解してみると、ケーブル、端子ともに、腐食していた。