回路の切断は、接続箱のスイッチで

 宮城県東松島市の住宅では、津波を被った住宅内で、接続箱からPCSの間で、送電ケーブルが切断されていた(図3)。

図3●東松島市の住宅の例
図3●東松島市の住宅の例
太陽光パネルの発電は続き、PCSに接続する送電ケーブルが切断(出所:PV-Net)
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 屋根上のパネルは健在で、PCSを設置した壁は、倒壊していた。そして、PCSの直前で、送電ケーブルが切られていた。これは、壁の倒壊時に生じた応力などで「切れた」のではなく、居住者が「切った」ことがはっきりわかる状態だったという。

 太陽光パネルは健在なので、日中は発電している。発電した電力は、接続箱を通り、この切断部分まで流れている。

 住宅用の太陽光発電システムは、300~400V程度の電圧でPCSまで流れてくる。電流も小さくない。

 もし、布や紙、草や木など、燃えやすいものが近くにあり、その状態で通電や放電が生じると、状況によっては発火し、住宅全体の火災につながった恐れもある。

 この場合も、接続箱のスイッチを切るのがベストな対処だった。

 こうした状況に関して、都筑氏は、「まず接続箱のスイッチを切ることで、安全に対処できることを知ってほしい」と強調する。

 かりに接続箱の不具合などの理由でスイッチが切れず、どうしても送電ケーブルを切ることで回路を遮断する場合、「線を切った上で、切り口を養生するなどの処置が必要」と言う。

(次回は、3月10日に掲載予定)