太陽光パネルには、製造時や輸送・設置時、また経年劣化によって、さまざまな不具合が生じる場合がある。こうした不具合や、検知するための手法について、前回からケミトックス(東京都大田区)が評価サービスを通じて得た事例や知見について紹介している。

 前回紹介したような出力低下を生じる不具合であるPID(potential-induced degradation)は、主に結晶シリコン型太陽光パネルで生じる。特定の条件下において、太陽光パネルに高い電圧がかかり、出力が低下する(図1)。太陽光パネル内のセル(発電素子)とアルミ製フレーム間に、電位差が生じることで起きる。高温・高湿、システム電圧などの条件が影響しているとされている。

図1●世界中でメカニズムの解析や検知方法の模索が続く
図1●世界中でメカニズムの解析や検知方法の模索が続く
高温・高湿などの条件下で、太陽光パネルに高い電圧がかかり出力が低下(出所:ケミトックス)
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 PIDによる結晶シリコン型パネルの出力低下が知られるようになって以降、世界中の企業や研究機関などが、そのメカニズムの解明や、検知方法の確立を模索してきた。しかし、現状では、出力低下のメカニズムには依然として未知の部分が残り、確実に検知できる方法も確立されていない。

 今回は、検知手法の最新動向を紹介する。