今回から、九州の中小企業が太陽光のO&M(運用・保守)に関して団結し、地域の担い手としての受け皿を目指す団体、太陽光発電アフターメンテナンス協会(福岡市博多区)と、同協会の代表理事を務めている、地元企業の工(たくみ)オフィスの宗貞貴洋代表取締役によるトラブル事例の解説を、3回にわたって掲載する。同協会は、太陽光発電のメンテナンスに関する情報共有や、共通化できる技術の標準化などを目指しており、九州の地域の中小企業をはじめ、全国的に太陽光発電関連の事業を展開している企業などが加盟している(関連コラム)。

 太陽光発電アフターメンテナンス協会では、ある太陽光発電所のO&Mを担当する企業から、顧客の発電所において、稼働後しばらくすると、太陽光パネルのカバーガラスが割れているのが見つかったことに関して、相談を受けた。

 太陽光パネルのカバーガラスが割れることまでは、よく聞く話である。一般的に、カラスが石を咥えて飛来し、太陽光パネルの上から石を落としたり、ゴルフや野球などの硬いボールが近隣から飛んでくる、または、何らかの原因で石などが敷地外から跳ねて飛んでくる、といったことによる。

 しかし、この太陽光発電所における例は、こうした外的な衝撃が原因ではなかった。というのは、カバーガラスが割れたのは、セル(発電素子)に接している内側で、パネル表面となる外側まで割れが到達していなかった。このため、パネル表面側は、平坦でつるつるしたままである。