カバーガラスの分離に3方式

 使用済みパネルを受け入れた後、製品のままリユースできるパネルを選別し、残りは材料ごとに分離・分別し、リサイクル(材料の再利用)のルートに乗せる。今回導入した分離処理工程では、アルミ製フレームと端子ボックスを外した後、カバーガラスを分離できるので、それ以外のセルやバックシートの破砕品に含まれる希少金属濃度が高まり、資源価値が向上する。

 カバーガラスからセルとバックシートを分離する技術では、特殊なブラシを使い常温で剥離する東芝環境ソリューションなどの方式のほか、加熱した特殊な刃(ホットナイフ)でガラスから剥がし取る方式、研磨剤を噴射するブラスト(吹き付け)方式の3つの技術が開発済みで、いずれも地域の企業を中心に事業化を進めている。

 地域に普及したメガソーラー設備の周辺に、地域の企業が知恵と工夫を重ね、さまざまな視点からビジネスチャンスを広げつつある。

 「地域のメガソーラーは、地域の企業がO&Mを担ってエネルギーの地産地消を実現し、今後、排出される使用済みパネルは、地域で適正処理し、資源を有効活用する。こうした地域主体の事業モデルを構築したい」と、MSMの小坂監事は言う。

●施設の概要
発電所名MSM―1号機
所在地青森県三沢市三沢小山田地区
敷地面積約3万3000m2
発電事業者三沢市ソーラーシステムメンテナンス事業協同組合(MSM)
発電容量1.955MW
年間予想発電量214万kWh
EPC(設計・調達・施工)ウエストホールディングス
太陽光パネルカナディアンソーラー製(8148枚)
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製
O&M(運営・保守)三沢市ソーラーシステムメンテナンス事業協同組合
竣工日2013年4月30日