本州最北端の水素ステーション

 青森県おいらせ町は、十和田湖を源流とする奥入瀬(おいらせ)川の流域にあり、豊かな自然に恵まれる。八戸市、三沢市、十和田市に囲まれており、交通の便が良い。2017年10月3日、同町に本州最北端の固定式水素ステーションが竣工し、完成式典が開催された。

 敷地内には、出力30kWの太陽光パネルと同出力のLiイオン蓄電池を併設しており、太陽光の発電電力で水を電気分解して水素を製造する。設置した太陽光パネルの容量で、提供する水素のほぼすべてを製造できる見込みという(図1)(図2)。

図1●おいらせ町に完成した「スマート水素ステーション」
図1●おいらせ町に完成した「スマート水素ステーション」
(出所:日経BP)
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図2●30kWの太陽光パネルと蓄電池を併設し、水素を製造する
図2●30kWの太陽光パネルと蓄電池を併設し、水素を製造する
(出所:日経BP)
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 この水素ステーションは、三沢市ソーラーシステムメンテナンス事業協同組合(三沢市:MSM)が建設した。MSMは、メガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設・運営から、O&M(運営・保守)サービスまで手掛けている。メガソーラー事業に加え、水素ステーションの運営、そして、太陽光パネルのリユース・リサイクル事業にも乗り出す。

 実は、水素ステーションの完成式典は、パネルのリユース・リサイクルラインの完成式も兼ねており、式典の後、三沢市内に完成したリサイクル設備の見学会も開催された。