JR姫路駅からクルマで北に約1時間、兵庫県多可町は、播州の奥座敷と呼ばれ、豊かな自然と石垣のある棚田で知られる。2016年11月29日、同町で出力約14.5MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「多可町安田郷メガソーラー発電所」の竣工式が開かれた(図1)。

図1●「多可町安田郷メガソーラー発電所」の全景
図1●「多可町安田郷メガソーラー発電所」の全景
(出所:三菱総合研究所)
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 「シンクタンクの新たなビジョンに掲げた『Think&Act』の実践例として、取り組んでいきたい」。三菱総合研究所の大森京太社長は、式の冒頭でこう挨拶した。同メガソーラーの事業主体となるSPC(特定目的会社)には、三菱総研、東京センチュリー、京セラ、四電エンジニアリングの4社が出資した。

 中でも三菱総研は、開発から事業全体を統括し、完成後の運営業務(アセットマネジメント)を担当する。同社は、2010年代に入って「Think&Act」を事業戦略に据えた。トップシンクタンクとして、分析に基づく「計画・提言」だけでなく、現場レベルの「実行」を通じてノウハウを蓄積し、国や自治体、企業をサポートしていく狙いがある。