栃木県北部に広がる那須野が原は、那須連山の麓にできた日本最大級の扇状地。砂礫層からなるため、保水力が弱く、農業に適さない。江戸末期までほとんど集落のない原野だったが、1880年代以降、灌漑により、牧草地や田畑などの開発が進んだ。「那須が原公園」は、残された林地に中に作られ、市民の憩いの場になっている。

 リサイクルや再生可能エネルギー事業を手掛けるレノバ(東京都千代田区)は2015年10月、この公園に隣接した約37haの民有林に「那須塩原ソーラー発電所」を稼働した(図1)。特別高圧送電線に連系するメガソーラー(大規模太陽光発電所)で、発電事業会社の合同会社那須塩原ソーラーには、レノバのほか1社が匿名組合出資を行った。

図1●公園に隣接した「那須塩原ソーラー発電所」(出所:レノバ)
図1●公園に隣接した「那須塩原ソーラー発電所」(出所:レノバ)
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 太陽光パネルの容量は約24.8MW、パワーコンディショナー(PCS)の定格出力は18MWとなる。EPC(設計・調達・施工)サービスは東光電気工事が担当した。太陽光パネルは中国・JAソーラー製、PCSは東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製、架台にはカナダ・クリーンエナジー製を採用し、杭基礎で支える(図2)。竣工後のO&M(運営・保守)は、EPCを担った東光電気工事が引き続き担う。

図2●架台はクリーンエナジー製、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した(出所:日経BP)
図2●架台はクリーンエナジー製、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した(出所:日経BP)
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