「クラスター断線」パネルを発見

 このパネル点検の特徴は、日照の変化による出力変動などの影響を受けにくいこと。まら、「従来のIV(電流・電圧)測定や赤外線サーモカメラでは、多くの場合、不具合の疑いまでしか評価できないが、ソラメンテであれば、故障パネルを特定できる」(アイテス)。

 「美作武蔵メガソーラー」では、竣工検査の1つとして、754個の接続箱から、6000以上のストリング回路をすべて点検した。その結果、すでにクラスター断線となっていた複数のパネルを見つけ出し、メーカー保証による交換を実施したという。

 メガソーラーの名に冠した宮本武蔵は、剣豪として同時代に生きた60余人の剣術家と戦って無敗だっただけでなく、「五輪書」を残し、兵法や人生訓として後世にも影響を与えた。新しい試みを積極的に取り入れている「美作武蔵メガソーラー」も、今後のメガソーラー開発や運営に影響を与えそうだ。

●設備の概要
発電所名パシフィコ・エナジー美作武蔵メガソーラー発電所
住所岡山県美作市粟野777‐1
開発会社パシフィコ・エナジー
発電事業者パシフィコ・エナジー美作武蔵合同会社(米バージニア・ソーラー・グループ、米GEエナジー・フィナンシャル・サービスが出資)
設置面積約122ha
出力太陽光パネル設置容量・出力42MW、連系出力30.2MW
年間予想発電量4500万kWh
EPC(設計・調達・施工)サービス東洋エンジニアリング
土木工事青木あすなろ建設
電機設備工事・機器設置山九プラントテクノ
高圧機器・連系設備設置東芝三菱電機産業システム(TMEIC)
O&M(運用・保守)旭電業
太陽光パネルインリー・グリーンエナジー製(72セル・315W/枚、約13万3340枚)
パワーコンディショナー(PCS)TMEIC製(630kW機、48台)
接続箱ワイドミュラー製
架台RBIソーラー製
着工月2014年12月
売電開始月2016年7月