沿岸の発電所ではサビを補修

 島に立地する太陽光発電所では、潮風を浴び続けることによる腐食も気になる。

 「SOL de 平戸 下中野」は、島の内陸に位置する。それでも、設備や架台は、基本的に耐食性の高いものを採用した。この効果もあって、発電設備にサビなどは見られない。

 しかし、同じ平戸島でも、海沿いで運営している発電所では、同じような対策を施した設備を導入していながら、サビが目立ち始め、補修したものもある。

 出力約990kWの「SOL de 平戸 古江」(図4)で、湾の奥まった場所にあることから、高波などの影響を受けることはまずない場所という。「SOL de 平戸 下中野」から約1年後となる、2013年11月に稼働を開始し、約4年間が経つ。

図4●平戸島の内湾の奥の海沿いに立地
図4●平戸島の内湾の奥の海沿いに立地
出力約990kWの「SOL de 平戸 古江」(出所:チョープロ)
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 「SOL de 平戸 古江」では、2017年に入り、昇圧変圧器の屋外設置用筐体が、部分的にサビてきた(図5)。サビ自体は、すぐに発電に影響しないが、今後、サビがさらに広がれば、いずれ昇圧変圧器の不具合の原因になる恐れがある。

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図5●昇圧変圧器の屋外設置用筐体にサビ
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図5●昇圧変圧器の屋外設置用筐体にサビ
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図5●昇圧変圧器の屋外設置用筐体にサビ
金属の切れ目などから生じたようだ。サビを削り取って補修(出所:日経BP)

 そこで、チョープロでは、サビが生じた部分を補修した。

 サビは、筐体を構成する金属の切れ目や、その近隣に生じていた。サビを削って落とした上、サビ止めを塗り直し、その上から塗装した。

 同じ屋外設置用の筐体でも、隣にあるTMEIC製PCSの筐体には、このようなサビは生じていない(図6)。

図6●TMEIC製のPCSの筐体には生じていない
図6●TMEIC製のPCSの筐体には生じていない
コケなどは付着しているが、サビは見えない(出所:日経BP)
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 耐食処理が施されている設備であっても、実際の設置環境によって、このようにサビなどが生じてくることがある一例といえる。