北海道の苫小牧港に、化学肥料メーカーである日東エフシーの苫小牧工場がある。同社は、この敷地内に、出力約1.234MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を導入した(図1)。

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図1●苫小牧港にある肥料工場の敷地内に設置
図1●苫小牧港にある肥料工場の敷地内に設置
日東エフシー・苫小牧工場内の出力約1.234MWのメガソーラー(出所:日経BP)
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 固定価格買取制度(FIT)の施行後、苫小牧市には、多くの太陽光発電所が設置された。日射量に恵まれる上、太平洋岸で、北海道にしては降雪量が少ないなど太陽光発電に向いた条件が揃っている。同社の苫小牧工場の周辺にも、工場の敷地内や、未利用だった区画を太陽光発電に活用している場所が少なくない。

 同社が工場内にメガソーラーを導入するきかっけは、オリックスからの提案だった。オリックスは当初、日東エフシーに対し、名古屋市港区の本社・工場などの屋根の上を使った太陽光発電システムの導入を提案した。

 日東エフシーでは、さまざまな地域の事業所や工場、倉庫など、屋根上への設置を検討したものの、耐荷重の不足や、補強するための追加投資が大きいなど、設置できる屋根はなかった。

 一方、屋根上ではなく、地上であれば設置できる場所が見つかった。それが、苫小牧工場の敷地内だった。