図1●岩手県遠野市青笹町にある「青笹太陽光発電所」(出所:富樫総合設備)
図1●岩手県遠野市青笹町にある「青笹太陽光発電所」(出所:富樫総合設備)
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図2●太陽光パネルの総容量840kW、連系出力は750kW(出所:富樫総合設備)
図2●太陽光パネルの総容量840kW、連系出力は750kW(出所:富樫総合設備)
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 岩手県遠野市は、柳田国男の「遠野物語」で知られる民話の里。遠野物語は、明治42年に柳田が「遠野郷」(今の遠野市)を訪れ、口承されてきた119の民話や伝説を収集してまとめたもの。遠野郷は山々に囲まれた平地で、当時、遠野町と10の村からなっていた。

 10村の1つ、青笹村(現・遠野市青笹町)は、遠野郷のほぼ真ん中に位置し、座敷童にまつわる民話の多い土淵村(現・遠野市土淵町)や河童伝説で知られる猿ケ石川にも近く、遠野物語の主要な舞台となった。JR釜石線の青笹駅は、駅舎のない無人駅で、古びたホームが、農村の原風景に馴染んでいる。出力840kWの「青笹太陽光発電所」は、同駅からクルマで10分ほど、田んぼと小川に挟まれた、山の根元に立地する(図1、図2)。

 冷暖房工事を手掛ける富樫総合設備(盛岡市)が建設し、今年10月1日に運転を始めた。事業用地は、牧草地として使われていた約1.9haの民有地で、農地転用したことで発電所の建設が可能になった。造成した上で、3240枚の単結晶シリコン型パネルを設置した。パネルの最大出力は840kW、連系出力は750kWで全量を東北電力に売電している。