21円/kWhでも屋根上設置を開拓

 オリックス 電力事業第二部 環境エネルギー第三チームの吉村芳宏マネジャーは、「買取価格が下がっていくなか、屋根設置型の事業性は相対的に高く、今後も積極的に増やしていく。環境意識の高まりもあり、ここに来て屋根設置の引き合いは増えている。新規の物流施設などでは、屋根に太陽光パネルを載せるのが当たり前になっている。PFUのように24円/kWh案件のほか、21円/kWh案件も進めている」と言う。

 一方で、屋根上太陽光など、電力需要家の敷地内に設置する太陽光発電に関しては、今後さらに買取価格が低下した場合、FITを使わずに自家消費するケースも考えられる。「20円台の案件でも補助金をうまく活用して自家消費するケースはすでに出てきている。負荷率の低い需要家の場合、太陽光によるピークカット効果で電気代を節約できる可能性もある」(吉村マネジャー)。

 同社では、屋根設置型に関し、オリックスが発電事業者になる「屋根借り方式」のほか、顧客が設備を所有して発電事業者になりFITで売電するケース、顧客が所有して自家消費するケースなど、今後は状況に応じて提案していくという。

 顧客が設備を所有し、発電事業者になる場合、オリックスは設計・施工を請け負ったり、省エネをサポートしたりすることも考えられる。エネルギー分野で幅広い業容を持つだけに、さまざまなパターンで顧客ニーズに応えたいとしている。

●設備の概要
発電所名ProDeSセンター発電所
住所石川県かほく市高松シ1番1 (PFU ProDeSセンター)
発電事業者オリックス
土地所有者PFU(石川県かほく市)
設置面積8316m2
出力949.5kW
年間予想発電量100万5192kWh(初年度)
EPC(設計・調達・施工)サービス三晃金属工業
太陽光パネル東芝
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)
パネル取付金具三晃金属工業
着工月2017年5月
売電開始日2017年9月15日
売電単価24円/kWh