雑草では大きな差

 二つのメガソーラーは、いずれも好調な発電を続けている。とくに、最初に稼働した「大分太陽光発電所」は、予想を大幅に超える上振れという。日射に恵まれたうえ、事業計画を保守的に立てていたことも、原因と見ている。

 雑草については、両発電所で違いがある。「大分太陽光発電所」は、砕石を敷きつめて転圧した後に設置したため、雑草は比較的、抑制されている。一方、「日吉原太陽光発電所」は、ゴルフ場跡をそのまま活用していることから、雑草がよく伸びてくる。

風力やバイオマスでも実績を重ねる

 三井造船では、こうしたメガソーラーの発電事業やEPCサービスのほか、風力発電やバイオマス発電で実績を重ねている(図10)。

図10●バイオマス発電所や風力発電所にも注力
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図10●バイオマス発電所や風力発電所にも注力
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図10●バイオマス発電所や風力発電所にも注力
左は市原市の事業所内のバイオマス発電所、右は和歌山県の風力発電所(出所:三井造船)

 風力発電では、和歌山県日高郡印南町などにある合計出力26MWのウインドファームのEPCサービスなどを担当した。この風力発電所は、2015年12月に着工しており、2018年6月に稼働する予定となっている。

 愛知県田原市のメガソーラー併設のプロジェクトでは、発電事業者の一角を占めるとともに、風力発電システムのEPCサービスを担当した(関連コラム)。出力6MWの風力発電所と、同約50MWのメガソーラーによる発電所で、2014年10月に稼働した。

 秋田市向浜地区にある出力約7.5MWの風力発電所でも、EPCサービスを担当している。日本製紙の工場に隣接する土地を活用したもので、2018年1月の引き渡しを予定している。

 バイオマス発電所のEPCサービスも手掛けている。2017年6月には、100%子会社の三井造船環境エンジニアリング(千葉市美浜区)が、食品廃棄物の飼料化設備に、バイオガス発電設備を組み合わせた複合プラントを竣工した。

 千葉県市原市にある自社の千葉事業所内でも、出力49.9MWのバイオマス発電所を建設している(関連ニュース)。このプロジェクトは、伊藤忠と大阪ガスと共同によるもので、EPCサービスも三井造船グループで担当する。伊藤忠が燃料調達を担い、輸入したPKS(パーム椰子殻)や木質ペレットを使う。2020年10月に稼働する予定という。

●発電所の概要
名称三井造船・三井不動産 大分太陽光発電所
所在地大分県大分市日吉原3(三井造船 大分事業所内)
土地所有者三井造船
敷地面積22万4161m2(18万2837m2から増設)
太陽光パネル出力20.652MW(約16.98MWから増設)
連系出力17MW(14MWから増設)
年間予想発電量2225万kWh
発電事業者三井造船・三井不動産共同企業体(三井造船51%、三井不動産48%)
EPC(設計・調達・施工)サービス東光電気工事
O&M(運用・保守)東光電気工事
太陽光パネル三菱電機製(出力261W/枚、7万9128枚:6万5058枚から増設)
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製(出力500kW機)
発電開始2013年12月1日
買取価格(税抜き)40円/kWh
●発電所の概要
名称大分日吉原太陽光発電所
所在地大分県大分市日吉原3(三井造船 大分事業所内)
土地所有者三井造船
敷地面積約46万m2
太陽光パネル出力        44.884MW
連系出力34MW
年間予想発電量5250万kWh
発電事業者大分日吉原ソーラー(伊藤忠商事50%、九電工30%、 三井造船20%)
EPCサービス三井造船、九電工
O&M九電工
太陽光パネル東芝製(出力250W/枚、17万9536枚)
PCSTMEIC製
発電開始2016年3月1日
買取価格(税抜き)36円/kWh