福島県南相馬市の原町区は、沿岸部に位置し、東日本大震災で津波に被災した。南相馬市は、同地区の耕作放棄地を買い取り、復興整備計画を進めている。すでに植物工場や藻類から油を生産する実証施設が作られ、新産業の創出に向け、動き出している。

 9月16日、この地区にまた一つ、福島県、そして東北復興に貢献する重要な施設が完成し、竣工式が行われた。東北電気保安協会(仙台市)が建設し、運営する「技術研修用太陽光発電所」だ(図1)。愛称を「相馬野馬追の里 ほあんソーラー」と名付けた(図2)。

図1●東北電気保安協会が南相馬市に運営する「技術研修用太陽光発電所」(出所:東北電気保安協会)
図1●東北電気保安協会が南相馬市に運営する「技術研修用太陽光発電所」(出所:東北電気保安協会)
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図2●地域の祭りに因み「相馬野馬追の里 ほあんソーラー」を愛称にした(出所:日経BP)
図2●地域の祭りに因み「相馬野馬追の里 ほあんソーラー」を愛称にした(出所:日経BP)
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 各地の電気保安協会は、多くの電気主任技術者を擁し、メガソーラー(大規模太陽光発電所)の保安業務を担っている。とりわけ、再生可能エネルギーの導入に熱心な自治体が多く、適地にも恵まれる東北地方では、メガソーラーの建設が進み、東北電気保安協会への保安業務の依頼が急増している。

 2015年7月現在、同協会が受託した太陽光発電所(売電専用)は、389件に達した。内訳をみると、出力1MW以上~2MW未満が92件、500kW以上~1MW未満が106件、100kW以上~500kW未満が174件、50kW以上~100kW未満が17件となっている。