スノーモービルで検針員を発電所に運ぶ

図7●太陽光のO&Mを担当する蒼星の森の三浦充さん(出所:日経BP)
図7●太陽光のO&Mを担当する蒼星の森の三浦充さん(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]

 O&M(運営・保守)サービスは、外部企業に委託せずに、「蒼星の森」を運営している東京組の子会社、蒼星の森(十和田市)が担当している。蒼星の森の三浦充さんは、同社が太陽光発電所のO&Mを引き受けたのを機に、その担当者として入社した(図7)。

 「蒼星の森太陽光発電所は、冬も順調に稼働しているものの、やはり雪に閉ざされてしまうため、苦労も多い」(三浦さん)という。発電所周辺は積雪が3mになることもあるが、自治体によって除雪されず、道は閉鎖されてしまう。「冬季に発電所に行くには、近くのスキー場でスノーモービルを借り、自分で運転していくしかない」と言う。

 前回の冬には、10回ほど、スノーモービルで蒼星の森太陽光発電所まで行ったという。そのほとんどは、不具合いによる停止などではなく、通常のO&M業務のためだった。

 太陽光発電所は、PCSのエアコンや遠隔監視用の電源などに系統電力から電気を購入している。毎月1回、その検針がある。また、法定の定期点検を4カ月に1回、実施する必要があり、積雪期間に2回、それが回ってくる。

 三浦さんは、その度に検針担当者と電気主任技術者をスノーモービルに乗せ、蒼星の森発電所まで連れて行った。そのため、スノーモービルの操作を身に着ける研修会などに参加して、運転技術を高めたという。

 加えて、大雪などで倒木があると通信回線が断線することがあり、その影響でPCSの通信ネットワークが異常を検知して稼働停止することがあるという。その場合も再稼働のために現場に行く必要がある。