最も雪深い地域の太陽光発電所

 青森県十和田市の北西部、法量(ほうりょう)地区は、八甲田山の山麓に広がる。山から吹きつける寒冷な北西風は、八甲田おろしと呼ばれ、冬の積雪は2m近くにもなる。青森でも特に雪深い特別豪雪地帯だ。「蒼星の森太陽光発電所」は、こんな過酷な環境に建っている(図1)。

図1●八甲田山の山麓に位置する「蒼星の森太陽光発電所」(出所:東京組)
図1●八甲田山の山麓に位置する「蒼星の森太陽光発電所」(出所:東京組)
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 出力450kW分の太陽光パネルは、豊かなブナ林に囲まれ、見上げるような架台に載せられている。地面からパネル最低部までの高さは2.7m。その上にパネルを45度で固定している。「おそらく日本で最も雪深い地域に建てられた太陽光発電所でしょう」。蒼星の森太陽光発電所を建設した東京組(東京都世田谷区)の加藤修常務は言う。

 「それでも発電量は、全国平均に引けを取らない。もともと十和田市の日照量は、東京とほぼ同じ。これだけパネルを傾ければ、積もった雪はすぐに滑り落ちるので、冬の間も、十分に発電できている」と言う。

 東京組は、地域に密着したデザイン性の高い家づくりを特徴とする住宅メーカー。会長の中野渡利八郎氏が、1993年に大手住宅メーカーから独立して設立した。東京都内を中心に4600棟以上の施工実績がある。