アルミ建材の切断面に蓋

 茂山組は、岡山県で随一の太陽光発電所の施工実績を持ちながら、自社所有のメガソーラーは「津山ソーラーヴィレッジ発電所」だけで、このほかには、低圧連系の約50kW程度の発電所を数カ所、運用している程度という。

 「メガソーラーの自主開発を検討した時期もあったが、岡山県内を中心とした地元の太陽光発電所の設計・施工の依頼が多く、そちらを優先したため、自社の開発案件を進める余裕がなかったのが実態」(福田課長)という。

 こうした顧客志向は、「津山ソーラーヴィレッジ発電所」の設計にも表れている。発電所内には、外部に出ているケーブルはほとんどない。低圧案件も含めて、ケーブルはすべて地下埋設を基本にしているという。「20年間の耐久性を考えると、地下埋設のほうが圧倒的に有利」だからという。

 また、アルミ架台を組んでいる建材の端は、切断面の穴をすべて樹脂製の蓋で塞いでいる。これも、「穴のままにしておくと、鳥が巣を作るなど、素材の劣化や不具合の原因になる」との経験を生かしている。

 こうした隅々まで気を使った設計が、「岡山県内で太陽光発電所の施工件数でトップ」という実績につながっているようだ。

●設備の概要
発電所名津山ソーラーヴィレッジ発電所
住所岡山県津山市市新田634‐2
発電事業者津山ソーラーヴィレッジ(津山市)
出力1.3MW
年間予想発電量約1500MWh(150万kWh)
EPC(設計・調達・施工)サービス茂山組
O&M(運用・保守)茂山組
太陽光パネル京セラ製多結晶シリコン型(242W/枚・2100枚)、ソーラーフロンティア製CIS化合物型(165W/枚・3100枚)、パナソニック製多結晶シリコン型(245W/枚・420枚)、ハンファ製単結晶シリコン型(255W・406枚)、Qセルズ製多結晶シリコン型(260W/枚・392枚)
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製(500kW機・2台、100kW機・3台)
架台茂山組製(アルミ製W型トラス構造)
完成日2013年9月20日