北海道の南西部に位置する安平町は、勇払平野から夕張山地へと続く丘陵地で、冬の寒さは厳しいものの、積雪量は比較的、少ない。札幌からクルマで約1時間、新千歳空港からは約20分と交通の便が良く、南には苫小牧東部工業団地など、大規模な開発地域もある。

 こうした恵まれた地の利を生かし、安平町では、企業誘致や就農者、移住者を積極的に募集し、地域の活性化に取り組んでいる。同町のホームページには、「みんなでPR安平町」というコーナーがあり、町内の遠浅小学校5・6年生が総合的な学習の時間に作成した「まちの自慢」レポートを掲載し、特徴的な施設や設備、工場などを紹介している。

 今春に掲載したレポートの1つに「SBエナジー太陽光発電所編」がある。

 「働いている従業員は、約何人いるでしょうか?」――。レポートでは、こんなクイズから始まり、図や写真を交え、太陽光発電所を解説している。「ここでは、太陽光で電気をつくり北海道電力に売る予定です。現在は建設中で、ソーラーパネルを設置しているところです」。「44万枚のパネルで電気をつくります。全部のパネルの広さは、東京ドーム約35個分、札幌ドーム約30個分です。1年間で安平町(4300世帯)7年間分の電気を作れます」――。こんな説明の後、「400~500人が働いています」とのクイズの答えがある。

 ここで紹介されている「まち自慢」のメガソーラー(大規模太陽光発電所)とは、「ソフトバンク苫東安平ソーラーパーク」だ(図1)。SBエナジー(東京都港区)と三井物産の共同出資による「苫東安平ソーラーパーク」が事業主体となる発電所で、敷地面積は約166ha、太陽光パネルの設置容量は、約111MWに達する。

図1●飛行機から見た「ソフトバンク苫東安平ソーラーパーク」(出所:東芝)
図1●飛行機から見た「ソフトバンク苫東安平ソーラーパーク」(出所:東芝)
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