いちごグリーンインフラ投資法人が取得

 いちごECOエナジーは、今年9月までに全国34カ所に合計出力で約100MW分のメガソーラー(大規模太陽光発電所)を開発・稼働してきた実績がある。山口県内のサイトも、それらのうちの2つだ。

 ただ、両サイトは今年6月、いちごグリーンインフラ投資法人(東京都千代田区)がいちごECOエナジーから取得し、所有権が移った。

 同投資法人は、昨年12月に東京証券取引所のインフラファンド市場に上場した。上場の際、いちごECOエナジーの開発・運営してきたメガソーラーのうち13件、合計出力約25.8MWのメガソーラーを取得していた。新たに2サイトを資産に組み入れたことで同投資法人は、15サイトで29.4MWのメガソーラーを資産運用することになった(図3)。

図3●15発電所(約29MW)の所在地
図3●15発電所(約29MW)の所在地
(出所:いちごグリーンインフラ投資法人)
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 山口県内のサイトの取得に際し、エクイティ(資本)は増やさず、借入金と同投資法人の余剰資金を活用することにより、1口当たりの純利益を増加させた。

 東証のインフラファンド市場は、REIT(不動産投資)に続く、インフラ系への投資市場として、2015年4月に創設された。2016年6月に第1号銘柄となるタカラレーベン・インフラ投資法人、2016年12月にいちごグリーンインフラ投資法人、2017年3月に日本再生可能エネルギーインフラ投資法人が上場し、現在、3銘柄となっている。

 ただ、2016年11月からの「トランプ相場」で株価が上昇し、株式市場への資金の流入が増える中、REITやインフラファンドなど、長期に安定的な投資市場の低迷が鮮明になっていた。こうしたなか、いちごグリーンインフラ投資法人は、新たに2案件の組み入れにより、投資商品としての魅力を高め、売買をテコ入れした。