草がほとんど生えず、汚れのないパネル

 今年8月に「モンチッチ海岸発電所」を取材で見学した。海水浴場に向かう川沿いの小道をクルマで走っていくと、車窓からフェンス越しに整然と並んだ太陽光パネルが目に入る。稼働から4年以上、経っているが、目立った草はなく、濃紺のアレイが鮮やかだ。

 デンカシンキは、海水浴場に隣接してひと目に付きやすいだけに、同発電所のO&M(運営・保守)に力を入れ、外見的にも清浄に保つよう配慮している。そのため、設備の目視点検や太陽光パネルの洗浄、敷地内の除草などに関し、専任の担当者に委託している。

 稼働した当初から、それらの作業を担当してきのが、三好武志さんだ。三好さんは、自営業を営んでいたが、すでに子供に経営を任せ、元々、「海岸発電所」のある用地に縁のある業務に携わっていたこともあり、引き受けることにした。

 「モンチッチ海岸発電所」にほとんど雑草がなく、パネルが真新しく見えるのは、三好さんが専任者として、計画的に管理しているからだ。

 雑草対策としては、土地造成の際、アルカリ度の高い砕石を地表に敷き、転圧する施工を行っていた。しかし、稼働後、2~3年後からは、雑草が生え出したという。ただ、砕石を敷いているため、刈り払い機など機械除草を行うと、小石が飛んでパネルを損傷する可能性が高い(図5)。

図5●雑草対策に砕石を敷いて転圧した
図5●雑草対策に砕石を敷いて転圧した
(出所:日経BP)
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 そこで、年に2回、春と夏に除草剤を散布することにした。「農業従事者などに相談し、草の葉を枯らす効果のあるもの加え、根から枯らすタイプなど3種類の農業向けの化学薬剤を混合して播いている」(三好さん)という。10リットルのタンクを背負い、敷地全体に散布するのに一人で約1週間かかるという。