パネルはハンファ、PCSはTMEIC製

 「DSメガソーラー モンチッチ海岸発電所」は、太陽光パネルの出力1.285MW、連系出力は1.25MWとなる。設計・施工は藤崎電機(徳島県阿南市)に委託し、ハンファQセルズ製の255W/枚の製品を5040枚並べた(図3)。

図3●ハンファQセルズ製のパネルを20度に設置
図3●ハンファQセルズ製のパネルを20度に設置
(出所:日経BP)
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 当時としては珍しく直流1000V仕様の回路構成とし、樹脂製の海外メーカー製接続箱を使った。パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用。海岸に近いため、太陽光パネルや電気設備は、重塩害対策を施したタイプにした(図4)。

図4●東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製のPSCを採用
図4●東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製のPSCを採用
(出所:日経BP)
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 オーストラリアのクリーンエナジー製の南北方向1本脚タイプの杭基礎を地中に約2mの深さまで打ち込み、アルミニウム製の架台にパネルを取り付けた。4段・14列のアレイ(パネルの設置単位)構成とし、設置角20度にした。

 建設資金は、ABL(Asset Based Lending:動産担保融資)の手法を活用し、金融機関から融資を受けた。ABLとは、コーポレートファイナンスの1つだが、不動産担保でなく、事業そのものに着目する。商品在庫や売掛金など流動性の高い事業資産を担保とするため、価値の高い不動産を持たなくとも融資を受けられる。

 太陽光発電事業への融資では、土地のほか、太陽光パネルやPCSなどの動産設備、パネルやPCSに対するメーカーなどの保証、損害保険会社と契約した火災保険、そして、電力会社に対する売電債権など、売電事業にまつわる資産すべてが担保になる。

 2013年3月の稼働以来、発電実績は順調で、事前に想定した発電量に比べ、平均して10%以上、上振れしているという。