パネルの下は牧草地に

 「ソーラーシェアリング」とは、農地に太陽光パネルを高めに設置し、その下で、作物を栽培する手法だ。農作物と太陽光パネルで日射を分け合い、営農と太陽光発電事業を両立させる。今回のプロジェクトでは、鈴木農園内の約1万8900m2の農地を利用して、個人の太陽光発電事業者が売電事業を行い、鈴木農園が営農を行うことになる。

 出力約1.36MW分の太陽光パネルを設置し、パネル下の農地では、遮光耐性に優れた牧草を生産する予定だ。

 年間発電量は、約144.5万kWhを見込む。これは一般家庭約440世帯の年間使用電力量に相当する。発電電力は、固定価格買取制度(FIT)を活用し、売電単価36円/kWhで東北電力へ売電する。一方、春と夏に2回、牧草の種を播き、定期的に収穫して、近くの酪農家に販売する予定だ。

 太陽光設備のEPC(設計・調達・施工)サービスは、juwi(ユーイ)自然電力が担当した。パネルは中国・JAソーラー製、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した(図2)。

図2●設計・施工はjuwi自然電力、パネルはJAソーラー、PCSはTMEIC製
図2●設計・施工はjuwi自然電力、パネルはJAソーラー、PCSはTMEIC製
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]