熊本県阿蘇郡産山村は、九州のほぼ中央、熊本県の北東端に位置する。阿蘇山や祖母山、九重火山群という、九州を代表する山々に囲まれている。北西部は阿蘇郡南小国町、西部と南部は阿蘇市、東部と南部は大分県竹田市に接している。

 阿蘇の外輪山と九重山麓が交わる波状高原と、その高原が侵食された急傾斜で構成された山村で、標高は約500m~1047mの高原地帯にある。

 この産山村に、出力約1.8MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「産山山鹿(うぶやまやまが)ソーラーエナジーファーム」がある(図1)。

図1●熊本県阿蘇郡産山村に立地し、ヒツジを放牧
図1●熊本県阿蘇郡産山村に立地し、ヒツジを放牧
出力約1.8MWの「産山山鹿ソーラーエナジーファーム」(出所:日経BP)
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 日本アジアグループ傘下のJAG国際エナジー(東京都千代田区)などが設立したSPC(特定目的会社)、「産山山鹿ソーラーエナジーファーム合同会社」(東京都千代田区)が発電事業者となる。

 年間発電量は、一般家庭約540世帯の消費電力に相当する、約194万3812kWhを見込んでいる。買取価格は40円/kWh(税抜き)で、九州電力に売電している。

 EPC(設計・調達・施工)サービスは、東京エネシスが担当し、太陽光パネルはカナディアン・ソーラー製、パワーコンディショナー(PCS)は、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した。

 施設管理をJAG国際エナジーが、O&M(運用・保守)は、同社グループのJAGパワーエンジニアリング(東京都千代田区)が担っている。

 出力255W/枚の太陽光パネルを7104枚、設置した。PCSは、出力750kW機と同740kW機の2台を導入した。直流入力電圧1000Vに対応した機種で、パネル出力約1.8MWに対し、2台で1.49MWとなっている。