熊本地震では停電で停止、遠隔制御で復旧

 発電を開始してから、約1年間が経つ。その間、2016年4月には、熊本地震が起きた。

 熊本地震に遭っても、発電設備などに大きな損傷はなかった。ただ、連系する送電網の停電によって、PCSが稼働を停止した(図6)。

図6●遠隔制御で熊本地震後の停止から復旧
図6●遠隔制御で熊本地震後の停止から復旧
発電設備に大きな被害は生じなかったものの、停電によってPCSが稼働を停止した(出所:日経BP)
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 夜間に地震が起き、翌朝にPCSの停止に気付き、すぐに九州電力の許可を得て、PCSを再起動して送電を再開した。

 こうした場合、一般的な発電所では、電気主任技術者が現地で電力会社と電話でやり取りし、許可を得てPCSを再起動する。

 これに対して、同社の太陽光発電所では、PCSの遠隔監視・制御システムを導入しているため、現地に向かわずに送電を再開した。

●発電所の概要
発電所名産山山鹿ソーラーエナジーファーム
所在地熊本県阿蘇郡産山村
敷地面積約3万7000m2
太陽光パネル出力約1.8MW
パワーコンディショナー(PCS)出力1.49MW
年間予想発電量約194万3812kWh
(一般家庭約540世帯の消費電力に相当)
発電事業者産山山鹿ソーラーエナジーファーム(東京都千代田区)
(JAG国際エナジーなどによるSPC:特定目的会社)
EPC(設計・調達・施工)サービス東京エネシス
太陽光パネルカナディアン・ソーラー製(出力255W/枚、7104枚)
PCS東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製
(出力750kW機、同740kW機の2台、直流入力電圧1000V対応)
施設管理JAG国際エナジー
O&M(運用・保守)JAGパワーエンジニアリング(東京都千代田区)
買取価格40円/kWh(税抜き)
売電先九州電力
竣工時期2015年3月