地盤の変位をミリ単位で監視

 こうした設計は、処分場太陽光では、比較的、よく見られる対策だ。加えて、「大津ソーラーウエイ」では、GPS(全地球測位システム)を使った、法面の24時間監視システムを導入していることが大きな特徴だ。

 これは、国際航業が従来から提供している「Shamen‐net」という法面監視の支援サービスだ。GPSセンサー(受信器)を法面に一定の間隔で設置しておき、地盤の変位をリアルタイムに計測する仕組みだ(図5)(図6)。

図5●アレイ間に設置したGPS受信器
図5●アレイ間に設置したGPS受信器
(出所:日経BP)
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図6●PCS付近に設置したGPS受信器
図6●PCS付近に設置したGPS受信器
(出所:日経BP)
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 測定した位置情報は、東京都府中市にある国際航業の東京事務所で専任技術者が24時間、365日監視しており、法面の挙動に異常が見られた場合、関係者などにアラーム(警報)を発する。±1~1.5㎜の精度で、3次元的、時系列的に測定できるという。

 天候に左右されず、夜間や集中豪雨の時でも、遠隔監視できるのが特徴だ。国際航業によると、ダムやトンネル、切土・盛土で不安定な斜面など、地滑りにつながる地盤の挙動を監視するために多く採用されているという。