発破もかけて3段に造成
日向日知屋のメガソーラーは、採石場跡の丘の斜面に沿うように立地している。連系点は、メガソーラーから約1km離れている。鉄塔を4本立て、連系点までの送電線を敷設した(図3)。
採石場跡というだけあって、地中には硬い岩石が多く、造成には苦労したという。火薬による発破も活用しながら造成していった。
約31ha、東京ドーム約6個分という広い敷地を3段に造成し、出力255W/枚の太陽光パネルを9万6180枚並べた(図4)。
太陽光パネルは、台湾モテック(Motech)製を採用した。セル(発電素子)を中心に、パネルまで製造・販売している企業で、セルでは業界トップに立ったこともある。伊藤組土建(札幌市中央区)と組んで、パネルを国内生産していた時期もあった。大林組のメガソーラーでは多く採用しており、性能や価格、信頼性のバランスが魅力としている。
コンクリート基礎を採用した。切り土と盛り土が混在していることから、それぞれの場所の状態に合わせて、2種類のコンクリート基礎を使い分けている(図5)。
盛り土した場所は、今後、万が一、過剰に沈下した場合、基礎も大きく沈むことで、太陽光パネルが曲がったり損傷する恐れがある。このリスクを防ぐために、アレイ(太陽光パネルを架台に固定する単位)の四方の地上を基礎で固めた。上から見ると、「口」の字型のコンクリート基礎となる。
こうした場所には、地盤沈下の度合いを計測するための設備も設置されている(図6)。
切り土した場所は、このリスクは少ない。そこで、パネルの底部と高部のそれぞれの下に、東西方向のみに伸びているコンクリート基礎を使った。「口」の字型から、南北方向に伸びる2本を省いたような形状である。