釧路では蓄電池付きメガソーラーを開発
事業性に課題のある案件に挑んだ例もある。日向日知屋の前に、2017年4月に稼働した北海道釧路町の蓄電池併設型のメガソーラーである(図2、関連ニュース2)。
北海道電力の要請で、太陽光パネル出力17.9MW、連系出力14.5MWのメガソーラーに、容量6.75MWhのLiイオン蓄電池を併設した。蓄電システムは、メガソーラーからの短期的な出力変動を平滑化するために活用する。
釧路のメガソーラーでは、北海道電力との連系協議の途中から、蓄電システムの併設による出力変動の抑制の依頼が加わってきたという。
発電事業者にとっては、当初の計画から大幅にコストが膨らみ、事業性が悪化することになる。大林組では、プロジェクトファイナンスの組成も進んでいたことから、事業性を満たしながらの計画の変更に苦労したとしている。
蓄電池の設置という連系条件となっても、あえて事業化に取り組んだのは、「蓄電池併設型の太陽光発電は、今後、国内の広い地域で活用されることが予想されるため、いち早く取り組みたい」と考えたからという。
今後、太陽光や風力発電をさらに大量導入していくためには、蓄電池を使って出力変動を緩和していく必要があると予想されている。
そこで、発電事業としても、EPCやO&M(運用・保守)の面でも、早期に技術や知見を蓄積できる好機になると考えた。
同社では、技術研究所内でも太陽光発電と蓄電システムの連係制御に取り組んでいるほか(関連ニュース3)、関西電力による太陽光発電や蓄電池を活用したバーチャルパワープラント(VPP)関連の実証事業にも参画している(関連ニュース4)。