頬杖(ほうずえ)や筋交いを多用

 例えば、タキゲン製造では、太陽光向け架台に使用する単管パイプは、すべて厚さ2.4㎜の肉厚タイプとし、溶融亜鉛めっき鋼板(日新製鋼・ZAM)を基本にしている。加えて、パイプの先端にはすべてステンレスかZAM製のキャップを被せている。

 杭用パイプは、長さ1.5mを基本にしているが、地耐力が低い地盤の場合、2mを使用する。それでも強度が足りなければ、杭の間隔を狭くして打ち込む本数を増やすという。先端は硬いハガネ材を溶接しており、難地盤でも打ち込める。タキゲン製造・情報開発部の安藤寿直主任は、「パイプによる杭基礎は、土圧によって引き抜き荷重を支えている。スクリュー杭と違って地盤を荒らさない利点がある」と言う。

 同社では、太陽光パネルのアレイ(パネルの設置単位)設計にも指針を設けている。縦方向のパネル枚数は最大でも4段までを基本とし、その場合、設置角は最大30度、杭パイプは2mのものを使う。施工にあたっても、ボルトの締め付けトルクの基準(4.41kN・cm)を決め、施工時に指導し、固定金具の緩みを防いでいる。

 アレイ構成に関わらず、杭パイプと杭パイプを渡す下の梁と、パネルを固定する上側の梁を取り付け、支柱と支柱の間に対角線上に取り付ける頬杖(ほうずえ)や筋交い(ブレス)を入れることで、三角形状を作ることを必須にしている(図6)。

図6●頬杖(ほうずえ)や筋交いで三角形状を作る
図6●頬杖(ほうずえ)や筋交いで三角形状を作る
(出所:SEエナジー)
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 「函館市女那川町太陽光発電所」では、1.5mの杭パイプを使ったうえで、縦2段のアレイ構成とした。上下の両方に梁を渡し、支柱と支柱の間には、横方向に1間隔おきに頬杖を入れ、縦方向にはすべてに筋交いを入れている。

 「架台の施工時には、ボルトの締め忘れがないか、マジックでチェックを入れた。完成後は、固定金具の緩みによる架台の歪みやズレがないか、毎月の定期点検の際に気を付けて目視チェックしている」(SEエナジーの山本代表)という。